建物の外壁や木、石垣などにびっしりと生えたコケは、愛好家も多く、観賞するものとして親しまれています。
子供の頃に誰もが一度は見たであろう、森の主とかわいい姉妹のアニメ映画のシーンにも良く使われるイメージです。
しかしいざ自分の家の外壁となると話は別ですよね。
念願叶って手に入れたマイホームにふと気づくと外壁にコケがびっしり・・・なんて、思わず悲鳴を上げてしまいます。
壁にも色々な種類がありますが、コケが外壁に生えるのは何が原因なのでしょうか。
湿気? 外壁の材質? 掃除は自分でできるのでしょうか。
外壁にコケが生える原因と、身近でできるコケの掃除方法について解説します。
外壁にコケが生える原因は?
外壁にコケが生える原因は、
・外壁に直射日光が当たらない(日当たりが悪い)
・外壁の風通しが悪い
・壁の中の断熱材が劣化している・不備がある
・軒が短く、外壁が雨にさらされやすい
などです。
コケは地面に根をはって栄養を吸収する他の植物とは違い、石やコンクリートなどにある少しの栄養で生息することができます。
そのため、他の植物たちに栄養を取られてしまう地面ではなく、壁に生えることで生き抜いています。
コケは胞子をまいて増えます。
その胞子に栄養がいってしまうと、コケは一気に繁殖してしまいます。
コケにとっての栄養は水分です。
そのため、風雨にさらされる外壁はコケが生えやすくなっています。
また、日当たりが悪かったり風通しが悪い、断熱材が劣化しているなどで長い間外壁が湿気た状態が、コケの生える原因となります。
屋根に上ってお仕事をするペンキ屋さんによると同じ家の屋根でも陽が当たらない北側はコケがびっしりだけど、逆に陽の当たる南側はキレイという事も良くある話しで、生えたコケを放置しておくと、やがてヘドロのような臭いがして腐食の原因にもなると教えて頂きました。
コケなんて雑草と同じだと捉えていましたが、屋根や外壁に塗ってある塗膜を殺し、腐らせてしまう力があるそうです。
屋根なんてそうそうチェックできる場所ではないですし、そこが腐食していたらと考えると怖いですね。
外壁に生えたコケはどうやって掃除すればいい?
・塩素
外壁に生えたコケの掃除には、塩素が効果的です。
露天の岩風呂などを持つ温浴施設でも、生えたコケには塩素を薄めたものを使って掃除します。
塩素系の漂白剤を水で薄め、コケに塗ってください。
しゅわしゅわと泡が出てきたら、コケに効いているしるしです。
なかなか取れない場合はブラシでこするといいでしょう。
漂白剤が乾いてしまうと効果がなくなりますので、数分おきに塗り直してください。
あとはしっかり洗い流しましょう。
・熱湯
お庭でペットを飼っていたりガーデニングが趣味の方には漂白剤の使用は怖くて出来ませんよね。
そういった場合は、熱湯でも十分キレイに掃除できますよ。
お友達が実践したので確実な情報です!
熱湯をかけブラシでこすり落とすだけなので作業自体は簡単ですが、熱湯をかけることによりコケが猛烈に臭くなるそうです。
ご近所さんとの境界を掃除したからきっと臭いが漂ってしまい、申し訳なかったなと話していたので、外出したのを見計らって掃除した方が良さそうですね。
この掃除方法で約半年間キレイな状態を保てたそうです。
ちなみに水ではキレイに落とす事は出来なかったそうです。
・高圧洗浄機
ホームセンターや通販などで売っている高圧洗浄機がご家庭にある場合は、コケの掃除に使えます。
汚物を消毒する気分でコケに向かって使ってみましょう。
ペンキを塗るように外壁のコケが綺麗に掃除できると気分も爽快です。
ただし、外壁が高圧洗浄機に耐えうる材質かどうか、あらかじめ調べた上で使いましょう。
思わぬ破損を招くかもしれません。
自分では手が届かない場所の掃除をしたい場合は、コケの除去だけでも業者に依頼することが出来ますよ。
プロ仕様の高圧洗浄機で掃除した場合約2年間はキレイな状態が保てるそうですが、仕上げに塗料で膜を張ってあげないとまたすぐにコケが生えてくるそうです。
ちなみにブロック塀にもコケが生えると思いますが、そこは塗料を塗ってもはがれる事が多いのでお勧めしません。
業者に依頼すると、足場を立てて本格的な作業になるし、仕上げにコーティングすることを考えたら、外壁の塗り替えも視野に入ってきますよね。
特にコケが生えやすい場所には、フッ素、光触媒、シリコン製などの水はけがよくコケが生えづらい塗料を選ぶと予防にもなりますよ。
コケは外壁の材質、周囲の環境など、様々な原因で外壁に生えます。
特に水分の多い壁はコケの格好のすみかです。
ざらざらしていたり凹凸がある外壁だと雨が乾きにくかったり、近隣に山・川があり植物が多くコケの胞子が飛びやすいのも原因になります。
コケ用の掃除グッズやコケを予防する薬剤などもホームセンターでは取り扱っています。
しかし、最近になって急に外壁にコケが生えてきたという場合には、外壁や内側の断熱材の劣化によるものかもしれません。
家は定期的にメンテナンスが必要です。
外壁にコケが急激に増え出したらまさしくメンテナンスの時期。
外壁も材質によりますが、割れや腐りがないか、1年に一度はチェックしましょう。
まとめ
外壁を掃除するのは体力がいるし大変な作業ですが、色々な人の目に映るので出来れば引っ越してきた当時のピカピカした状態でいたいですよね。
今回、軽く見ていたコケには外壁を腐食させる驚きの力があると知りましたが外壁にコケが生えても、初期ならブラシで擦り落とせるし、範囲が広がってしまってもホームセンターにあるもので掃除&予防をすることができます。
原因を追究し、外壁の防水加工などでコケを予防するとともに、それを機に家のメンテナンスもしてみてはいかがでしょうか。